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コミュニティ業界の著名人に聞いた「2024年の振り返りと2025年の展望」- 後編 -


2024年も終わりに近づいていますが、この1年でコミュニティ業界でも色々なことがありました。

「年末特別企画」として、「コミュニティ業界の著名人に聞いた、"2024年の振り返りと2025年の展望"」という記事を作成しました。多様な方々に同じ質問をお伺いし、その回答をまとめて掲載しています。ご自身の振り返りや、2025年のコミュニティ業界を展望する際の参考になれば幸いです。


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SOLOさん

日本体育大学卒業後、陸上自衛隊・リクルート・博報堂などを経て独立。2022年にNFTコレクション「WAFUKU GEN」を発売しグローバルマーケットで800ETH以上の取引を記録。2023年に株式会社WAFUKU Labs ( https://wafukulabs.co.jp ) を設立し、大手企業や地方自治体のweb3関連事業のマーケティングや開発などを支援している。

( X : https://x.com/solo_nftist )


2024年の振り返り

- 2024年、ご自身の活動を振り返ってどのような年でしたか?

弊社(wafukulabs.co.jp)の主力事業だったNFTのトレンドが完全に終わったことで、さまざまなチャレンジをした年でした。時にはブロックチェーンとまったく関係のない事業も行い、とにかく生き残るために必死だった1年となりました。


- 2024年のコミュニティ業界を一言で表すなら何でしょうか?また、その理由を教えてください。

「チャレンジ」です。

記憶に新しいところだとMIXIがmixi2をリリースしたり、新しい学校のリーダーズがDiscord公式サーバーを開設したり、シンセカイテクノロジーズがMURAコミュニティをリリースしたりして、大手を含めた数多くのプレイヤーがコミュニティ分野でチャレンジを行なった年だと感じています。


- 最も印象的だったコミュニティ業界のニュースはありますか?また、その理由を教えてください。

「Xのブロック貫通機能の実装」です。

Xはおすすめタイムラインのアルゴリズム変更に続いて、良くも悪くも「居心地の良さ」を逓減させる方向に進んでおり、これに耐えられない人たちがインターネット上で心理的安全性を担保できるコミュニティサービスを求める強い動機となっているように感じます。


- 記憶に残ったプロジェクトはありますか?また、その理由を教えてください。

「FiNANCiE(フィナンシェ)」です。

年始から国内NFTプロジェクトや著名なビジネス系YouTuberらが続々参入し、1年を通して多くのFiNANCiEコミュニティがオープンしたことにより、オンラインコミュニティやトークンの認知が一般にもかなり広がったように感じています。


2025年の展望

- 2025年のコミュニティ業界、注目のキーワードは何だと思いますか?また、その理由を教えてください。

「DAO(Decentralized Autonomous Organization)」です。

国内では2021〜2022年頃にバズったキーワードですが、本質を捉え直した上で再評価・再試行の取り組みが増えると予想します。現に、2024年後半からこの流れによる弊社への問い合わせも徐々に増えてきている実感があります。


- 今後躍進しそうな注目領域はありますか?

「推し活×コミュニティ」です。

国内における推し活市場は引き続き盛り上がっていますし、トークン(NFT含む)との相性も良いため、2025年もより多くの試みがなされると思います。またその中で新しい成功事例も生まれると予測します。


- 2025年の抱負を教えてください。

巳年ですので、引き続き粘り強く事業成長にコミットしたいです。環境変化や不測の事態を言い訳にせずがんばっていきます。よろしくお願いします!



SRさん

2010年新卒でキヤノン株式会社入社|2023年に株式会社SHINSEKAI Technologiesへ|My Mission:生きがいを感じる人を増やす|Neo Tokyo Punks コミュニティマネージャー

( X : https://x.com/SRKTK56 )


2024年の振り返り

- 2024年、ご自身の活動を振り返ってどのような年でしたか?

面識のある方ない方含めて、多くの方々に助けて頂いた1年でした。

実は今年の2月、私自身の不注意により76点ものNFTを盗まれるというスキャム被害に遭ってしまい(総額150万円程度)、一時期ショックでweb3を卒業してしまおうかと思うほど落ち込んでしまったことがありました。そんな時に支えてくれたのがコミュニティの方々だったんです。

普段あまり交流のない方々からもXを通じて励ましのお言葉を頂けたり、寄付のようにPayPayを送ってくださる方やNFTを贈ってくださる方など、とても多くの方々の温かい支えがあり、立ち直るどころかさらにコミュニティ活動に邁進できる状態にまで元気を取り戻すことができました。

全ては自己責任の不注意から始まったことなのですが、このご恩はしっかり次に繋いでいき世の中へ還元したいと強く思う貴重な出来事でした。


- 2024年のコミュニティ業界を一言で表すなら何でしょうか?また、その理由を教えてください。

”界隈というセーフティネット”

「コミュニティ」という言葉自体は遠い昔から世の中に溢れている言葉でありながらも、「上手に活用する」ことができているとは言えない状況だと思います。特に、SNSの普及により、これまでリアルな出会いが中心だった日々の営みが、顔も名前も所在も分からぬ遠い誰かと急速に繋がれる時代へと変化し、その副作用として多くの心無い言動が横行するようになってしまったのも事実です。

そのような中、「界隈」というキーワードが流行ったことは1つの大きな光明であると捉えています。近からず遠からずの程よい関係性の中にこそ現代人の心落ち着く場所があるのではないか、と考えさせられる言葉でした。界隈と呼べるコミュニティの中で「小さな幸せ」を積み重ねていくことが今を生きる人々には必要なのかもしれません。


- 最も印象的だったコミュニティ業界のニュースはありますか?また、その理由を教えてください。

mixi2の復活ですね。

初代mixiが大学生時代に流行った世代としてmixiの復活は嬉しくもあり、どんな進化を遂げているのか興味深いニュースでした。

UIUXとしては初代から大きく変わっていましたが、現代ならではのチャットベースのやり取りの中で、文字を震わせる機能があったりエフェクト付きの絵文字が使えるなど、mixi2オリジナルの機能があってとても面白いです。

今このタイミングでmixi2が復活したことは、コミュニティが重要視されている市場ニーズの現れでもあると感じさせるニュースでした。


- 記憶に残ったプロジェクトはありますか?また、その理由を教えてください。

世界的なNFTプロジェクトである「Pudgy Penguins」が$PENGUというトークンを大規模にエアドロップしたことが印象的でした。

NFTホルダーでなくても古くからETHウォレットやSOLウォレットを使用していたユーザーが対象であり、ノンホルダー含めたNFT界隈全体を盛り上げようとするプロジェクト側の気概をも感じさせる取り組みでした。

「古参かどうか」がブロックチェーン上の記録で確認できることを上手く活用したweb3ならではのコミュニティ拡大施策だったと思います。私もわずかですがもらえたことが嬉しくて、思わずPudgy Penguinsの動向を追ってしまっています。


2025年の展望

- 2025年のコミュニティ業界、注目のキーワードは何だと思いますか?また、その理由を教えてください。

”コミュニティ貢献のエンタメ化”

企業や自治体などがマーケティング施策としてコミュニティを活用する事例が増えてきたのが2024年でしたが、2025年はいかに顧客に入りたいと思ってもらい選んでもらえるコミュニティを作れるかが重要になってくると考えています。

ただ人が集まれるコミュニティの箱を作るだけでは上手くいかず、コミュニティに関わること・貢献することが楽しいと思えるようなエンタメ化が必要であり、その熱量を維持・向上させていくための「運用」の重要性が謳われるようになってくると捉えています。


- 今後躍進しそうな注目領域はありますか?

「地域課題×コミュニティ×エンタメ」の領域です。

コミュニティは「人と人とが繋がるキッカケづくり」に大きな効果を発揮します。昨今の人口減少や過疎化、少子高齢化などの課題を受けて、多くの自治体が「移住者・定住者」を増やしたいと様々な取り組みが行われていますが、これらの取り組みが成功する鍵として、いかにその手前で「関係人口」を増やせるかが課題となっています。

そこで、地域特有の資産(価値)のコンテンツ化やコミュニティ活動のエンタメ化を行うことで、地域内外の人をコミュニティに集め、コミュニティ活動を楽しむ延長として地域課題解決に取り組んでいくといったイメージです。

ワクワクで人を集め、仲間と一緒に取り組むことの楽しさを醸成することで、ようやく地域課題解決に向けたチームづくりができると思っています。活動の貢献度に応じてコミュニティ内ポイントが加算され地域の特産品と交換できるとか、そういったゲーイフィケーション要素も面白そうですよね。


- 2025年の抱負を教えてください。

web3から地域創生まで、幅広い分野においてコミュニティを活かしていきます。

とにかくコミュニティ活動が楽しいという新しい文化を作っていけたらいいなと思います。


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SHIBA-CHANさん

(株)OFFICE SHIBACHAN代表取締役 / SKATER JOHNファウンダー。
アートディレクター、キャラクターデザイナー、NFTクリエイターとして活動。キャラクターを軸にしたグッズやアパレルの販売、NFTアートの制作を通じて、国内外でブランドを展開中

( X:https://x.com/john_skater08 )


2024年の振り返り

- 2024年、ご自身の活動を振り返ってどのような年でしたか?

スケータージョンのポップアップを東京、大阪の2都市で開催した事が、今年の大きな挑戦でした。

渋谷パルコのポップアップの成功で、心斎橋パルコへ巡回する形で開催することができました。ポップアップでは、ジョンの自由で楽しい世界観を表現しました。スケータージョンの世界観を、より明確にみんなに伝えられた年だったと思います。

- 2024年のコミュニティ業界を一言で表すなら何でしょうか?また、その理由を教えてください。

「繋がりによる拡散力」

個人や企業がそれぞれのコミュニティを活用し、いままで以上の成果に繋げられていると感じています。スケータージョンのポップアップの場合、ファンや、関わりのあるインフルエンサー、企業が協力し、告知や拡散を手伝ってくれました。

ブランド単体のSNSだけでは、ポップアップの成功はなかったと思います。

- 最も印象的だったコミュニティ業界のニュースはありますか?また、その理由を教えてください。

FiNANCiEのようなトークンを活用したコミュニティ形成が注目を集めたこと。

スポーツチームやプロジェクトがトークンを発行し、ファンと共に目標を達成する流れは、これまでのコミュニティ運営に新たな可能性を感じました。


- 記憶に残ったプロジェクトはありますか?また、その理由を教えてください。

「憧れのMEDICOM TOYとのコラボ」

今年はMEDICOM TOYと一緒に、スケータージョンのフィギュアを販売しました。私が上京したての頃、裏原ブームで、MEDICOM TOYは、その中心でした。

田舎から出てきた私にとって「東京の象徴」「カッコいい」「オシャレ」という雲の上の憧れのブランドでした。そのブランドとコラボできたということは、ある意味クリエイターとしてのゴールです。MEDICOM TOYと繋げてくれたのも、今年からチーム(コミュニティ)に入った、近藤さんでした。

2025年の展望

- 2025年のコミュニティ業界、注目のキーワードは何だと思いますか?また、その理由を教えてください。

「共感」

共感は、単なるフォローやいいねを超えた深い結びつきを生みます。ブランドがファンやインフルエンサー、企業との共通の価値観や目標を共有することで、より大きなムーブメントを起こせると思います。


- 今後躍進しそうな注目領域はありますか?

WEB3、AIには個人的に注目して、取り入れていきたいと思っています。


- 2025年の抱負を教えてください。

いままで、蒔いてきたタネが実り、大きなムーブメントになる年にします。



早川裕太さん

2010年より慶応と東大でAIを研究。楽天で複数の新サービスを立ち上げ。TECHFUNDでCTOとして数々のスタートアップや大企業の新規事業を支援。2017年より本格的にブロックチェーン案件に携わり、2018年にBlockchain as a Serviceもリリース。AgeTechのファミトラを創業しCTO/CSOとして計17億円を資金調達。エッグフォワードでChief Growth Officerを経て、㈱WAVEEを設立。

( X : https://x.com/yi_hayakawa )


2024年の振り返り

- 2024年、ご自身の活動を振り返ってどのような年でしたか?

WAVEEの仕組みが単なる理想ではなく、きちんと回ることを示せた年となりました。また、Web3業界のトッププレイヤーの企業の方々に導入してもらえ、実際に何人も採用した企業さん達も生まれ、関わってくださった方々には感謝です。

WAVEEの仕組み上、WAVEEが回ることでも一定お返しができてきていたりもしますが、まだ全然もっとお返ししていかねばという状況でもあります。


- 2024年のコミュニティ業界を一言で表すなら何でしょうか?また、その理由を教えてください。

私がコミュニティ業界を表現するのは恐縮なものの、「サービス終了の波を受けた年」ですかね。

2023年当時は今後期待との声も多かったブロックチェーンゲームにおいて終了が相次ぎ、育ちつつあったコミュニティから惜しまれる声が聞こえてきて、広くWeb3業界にいる身として悩ましかったですね。


- 最も印象的だったコミュニティ業界のニュースはありますか?また、その理由を教えてください。

合同会社型DAOの組成が可能となった点。

出資額以上のリターンが出しづらかったり、出すためのスキームが多少複雑になったり、そもそも一般にイメージされるDAOではないという点はあれど、課題は解消できると思っており、また日本が世界に先駆け取り組むという姿勢を見せてくれただけでも、将来世界をリードして発展する可能性の高まりに繋がると思ったため。


- 記憶に残ったプロジェクトはありますか?また、その理由を教えてください。

FiNANCiEなどは一般的だと思いますが、個人的にはUNCHAINですね。

年始にUNCHAINがshiftbaseで提供終了となり非常に驚いたと共に、その後運営する法人がいなくなった後もコミュニティとして独立して存続している点がDAO的で面白いと思っています。


2025年の展望

- 2025年のコミュニティ業界、注目のキーワードは何だと思いますか?また、その理由を教えてください。

2025年も、その後もしばらくの間はAIの取り込みは一定求められていくと思っています。「AI×コミュニティ」というと、これまでむしろ相反する印象があった気もしますが。

たとえばWAVEEチームでも、コミュニティ内での質問への応答をLLMで自動化する施策を一時期試したことがあります。その頃はまだLLMのモデルが弱かったのと学習が十分でなかったですが、今なら一定問題はクリアできるだろうと思います。

また、個々人の関心に合わせてコンテンツを最適にレコメンドしてくれるのも良いですよね。Discordのサーバ等様々なツールで色々なコミュニティに入っていても内容を到底追えないので、それらを統合して、自分用に要約してくれたりもありがたいです。

ツールとして実現されて広がるのは2025年か、もう少し先になるかもしれませんね。


- 今後躍進しそうな注目領域はありますか?

DAOの仕組みは、Web3だけでなくWeb2の事業においても考えを適用できるはずで、きちんと整えれば効果的に広げやすいと思っており、そうしたとき、DAOにおいて「各コミットメントの価値・貢献度の評価とインセンティブ」は重要と思っています。

この点はまだ絶対にこれという解が出ていないという認識で、それによって貢献者を募る設計や運用のハードルが上がっていると感じています。

こうした点においてもいくつか取り組みが見られているので、より活発に議論やユースケースが出てくると良いなと思いますし、WAVEEもその一端となれればと思っています。


- 2025年の抱負を教えてください。

「Web3.0時代の仕事マッチングの仕組みを作る」ということで、その先端のWeb3業界から事業をスタートさせてきましたが、仕組みができ多くの有力企業さんにお使いいただけてきたので、今後はWeb3以外の領域へも展開を進めていきます。

そして、自然な形でWeb3以外の人にもWeb3サービスに馴染んでもらえるよう、橋渡しの存在になれればと考えています。





以上、4名の方の回答を紹介させていただきました。

Web3業界の著名人にインタビューさせていただいた記事もございますので、よろしければそちらもご確認ください。

  Web3業界の著名人に聞いた「2024年の振り返りと2025年の展望」 | 株式会社SHINSEKAI Technologies 株式会社SHINSEKAI Technologies


弊社では、サービス利用料0円でご利用いただけるコミュニティプラットフォーム『MURA(ムーラ)』を提供しています。

ご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽に以下より資料をダウンロードください。