
コミュニティ業界の著名人に聞いた「2024年の振り返りと2025年の展望」- 前編 -
2024年も終わりに近づいていますが、この1年でコミュニティ業界でも色々なことがありました。
今回は「年末特別企画」として、「コミュニティ業界の著名人に聞いた、"2024年の振り返りと2025年の展望"」という記事を前編・後編に分けて作成しました。多様な方々に同じ質問をお伺いし、その回答をまとめて掲載しています。ご自身の振り返りや、2025年のコミュニティ業界を展望する際の参考になれば幸いです。
ガリバーさん
Discordの魔術師という異名を掲げて活動しています。Discordとミームが大好きでSell Through The Community(コミュニティを通じて売る)を目標に活動しています。|Discordパートナーバッジ取得|NFT Project「Nomadog」運営|Voicyパーソナリティ|Appsエバンジェリスト|Web3ミームおじさん|「ファンコミュニティ」「オンラインサロン」「バーチャルオフィス」などコミュニティ構築・運営の経験30ヶ所以上|
( X : https://x.com/gulliver_nft )
2024年の振り返り
- 2024年、ご自身の活動を振り返ってどのような年でしたか?
AIの存在が大きかったです。
画像生成や動画生成等を利用し自己表現をする機会が凄く増えました。
- 2024年のコミュニティ業界を一言で表すなら何でしょうか?また、その理由を教えてください。
交流 です。
SNSのアルゴリズムは交流しているユーザー同士の紐づきが強くなり、Xの場合だとタイムラインはSimClusterというインフルエンサーを中心としたクラスターが自動的に出来上がっておりタイムライン上に大きなコミュニティが出来上がっているような状態でした。
SNSが交流を強く意識したアルゴリズムになったことで、DiscordやMURAなどを利用したオープンな交流からクローズドな交流へ移動する動線が出来上がり、コミュニティの存在意義がより明強くなったと感じています。
- 最も印象的だったコミュニティ業界のニュースはありますか?また、その理由を教えてください。
AIエージェント です。
従来のコミュニティでは興味・関心など、人とのコミュニケーションで楽しんだり、情報を収集することがメインでしたが、人を介さずにAIエージェントを活用した情報の収集やチャットボットとの会話の機会が増えました。
- 記憶に残ったプロジェクトはありますか?また、その理由を教えてください。
meme token 全般です。
meme token の価値は話題性や共有感がポイントになっているかと思います。
コミュニティのメンバーが共通の推しであるトークンを広める為にSNS上で拡散し、価値を生み出し、利益を得る、まさにSell Through The Communityの一つの形を体現していると思います。
2025年の展望
- 2025年のコミュニティ業界、注目のキーワードは何だと思いますか?また、その理由を教えてください。
シームレス です。
今年はDiscordもDiscord Embedded App Sdk(埋め込みアプリ)の開発キットを公開し、コミュニティ内で色々なゲームを楽しむ環境が整いつつあります。PS5ではDiscordとPlayStation™Networkのアカウントを連携することで簡単にボイスチャットをしながらゲームを楽しむ環境が整いました。
API連携などによるデジタルビジネスがさらに加速し、よりシームレスな環境を作ることがコミュニティ運営の鍵になるのではと予想しています。
- 今後躍進しそうな注目領域はありますか?
EdTech × AI です。
個人的にですが、実は年末に英語ベースでの食事会があって辛い思いをしまして、最近「ChatGPTの高度な音声モード」を利用して英会話の練習をしています。ホントは人とするのが良いと思うんですが、隙間時間に練習するには凄く最適なんです。
人間らしい会話の空白時間や言い間違えを汲み取ってもらえるともっと使いやすくなりそうなんですよね。AIを活用した教育テクノロジーEdTechには凄く注目してますし、利用したいと思っています。
- 2025年の抱負を教えてください。
初心を忘れずコツコツ活動を続けるで結果がついてくると信じています。2025年もよろしくお願いいたします。
まっちゃんさん
株式会社東北新社にてNFTを活用したIP開発プロジェクト「IRI-DO(アイリダ)」のプロデューサーとしてプロジェクト施策からコミュニティ運営に携わる。現在では映像プロダクションにおける生成AI導入のためのリサーチ/研究の業務にも取り組んでいる。
趣味はサウナ。好きな水風呂の温度は18℃。
( X : https://x.com/JET_MOGRA )
2024年の振り返り
- 2024年、ご自身の活動を振り返ってどのような年でしたか?
会社で行うNFTプロジェクトとして予算も厳しい中、ファウンダーと共に四苦八苦していました。
個人としては生成AIの領域に踏み込み、会社としてどう取り組んでいくかをリサーチ、研究する仕事を始めています。
- 2024年のコミュニティ業界を一言で表すなら何でしょうか?また、その理由を教えてください。
カネと熱量。
マーケティングツールの一つとして機能するコミュニティは、しばしば「カネ」を原動力に動いていることが多いと感じています。これは単にお金が欲しいから参加するコミュニティだけでなく、誰かがマネタイズを目的に運営するコミュニティも含まれます。
一方で、同じ地域や趣味を共有する自然発生的なコミュニティは、金銭的な要素以外の目的で結束しているため、金銭が絡まなくても絆が続き、強固なものとなることが多いと考えます。
2024年において、ますますダウントレンドにあるWEB3業界でも、ファンを惹きつける魅力的なコンテンツとしっかりと進行しているプロジェクト運営があれば、熱量を維持できており、そうしたプロジェクトへのリスペクトが改めて深まりました。
- 最も印象的だったコミュニティ業界のニュースはありますか?また、その理由を教えてください。
博報堂、SHIBUYA109 lab.と共同で「界隈消費」に関するレポートを公開。
近年において触れるメディアや楽しむコンテンツの多様化は誰もが認めるところだと思います。多くの人の多くの好きがある中、どうモノを売ればいいのかみたいな時代においてマーケティングの指針にもなるわかりやすいレポートだったのではないでしょうか。
- 記憶に残ったプロジェクトはありますか?また、その理由を教えてください。
checkIN。
スマホの位置情報を利用してアプリ上で今いる場所を検索してチェックインするとポイントがもらえる、というプロジェクトです。
今までチェックインした場所の情報がアプリの地図上に溜まっていって思い出日記みたいな感じになって楽しいです。コミュニティと呼べるものがないので、あまり人口いないですがもっと盛り上がるといいなあ。
2025年の展望
- 2025年のコミュニティ業界、注目のキーワードは何だと思いますか?また、その理由を教えてください。
mixi2。
いま30-40代の人たちが楽しんでたコミュニティを中心としたSNSが新たにサービス開始しました。現時点でアルゴリズムや広告に支配されていないSNSが2025年にどれだけ盛り上がるのか楽しみです。
- 今後躍進しそうな注目領域はありますか?
お友達のプロジェクトが取り組んでいるバイオアートは生命科学とアートの融合を探る面白い取り組みだなと思ってます。
- 2025年の抱負を教えてください。
引き続き人と人の繋がりを大事にして、良き人々と良き仕事をしていけると嬉しいなと思っています。
▼株式会社SHINSEKAI Technologiesが提供するコミュニティ運営サービスについて詳しく知りたい方はこちら
鈴木駿介さん
筑波大学大学院数理物質科学研究科を修了後、大手日用品メーカーで研究職を経験。2019年よりオシロ社でプロダクト開発、データ分析、コミュニティプロデューサーとして、コミュニティ事業に幅広く従事。2024年12月にリデル社( https://liddell.tokyo/ )へ入社し、コミュニティ事業責任者としてコミュニティマーケティングの戦略構築と運営支援を行っている。
( X : https://x.com/SHUNSUZUKI8 )
2024年の振り返り
- 2024年、ご自身の活動を振り返ってどのような年でしたか?
2024年は、私にとって「挑戦」と「拡大」の一年でした。
コミュニティ業界において、これまでの経験を基盤に、新しい試みをいくつも実現しました。これまでやってきたコミュニティプラットフォームの開発に加え、コミュニティ運営をサポートするカスタマーサクセスチームのリーダーも兼任し、「どうやったら、コミュニティを成功させるか?」に真剣に向き合いました。
そして、12月には、リデル株式会社に入社し、コミュニティ事業部の責任者として新しいスタートを切りました。また、趣味の分野でも新しい挑戦がありました。登山サークルの2代目代表として、コミュニティ運営を実際に体験する機会を得たことは、仕事にも良い影響をもたらしました。今年は、コミュニティ関係者とのつながりも広がり、とても充実した一年になりました。
- 2024年のコミュニティ業界を一言で表すなら何でしょうか?また、その理由を教えてください。
「展開」
2024年は、まさに「コミュニティの展開」が進んだ一年だったと感じます。まだ課題は残っているものの、今年はコミュニティが広がり、さまざまな形が生まれた印象があります。コミュニティに関する新しいサービスが登場したり、関連する協会が誕生したというニュースも見ました。
また、オンラインツールを活用してコミュニティを運営するスポーツチームや地域が増え、多様な形のコミュニティが次々と生まれてきたように思います。これらの動きは、コミュニティ業界全体に新たな可能性をもたらしたと感じています。
- 最も印象的だったコミュニティ業界のニュースはありますか?また、その理由を教えてください。
最も印象的だったニュースは、「一般社団法人コミュニティマーケティング推進協会」の設立です。
この協会は、1企業や1個人の枠を超え、複数の企業が協力して立ち上げられた点が非常に注目されます。さらに、大学の教授が参画していることで、コミュニティ運営がアカデミックな視点からも捉えられ、専門性や価値が広く認識される流れが生まれました。このような取り組みにより、「コミュニティマーケティング」の可能性がさらに広がっていくと感じています。
私自身、「コミュニティを科学し、その魅力と価値を広げていきたい」という想いを持って活動しています。この協会の設立は、その道筋を示してくれる存在であり、業界全体の未来を明るく照らす一歩になると期待しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000137333.html
- 記憶に残ったプロジェクトはありますか?また、その理由を教えてください。
記憶に残ったプロジェクトは、コミュニティをフェーズごとに分け、それぞれのフェーズで「理想の状態」「課題」「運営者の悩み」「運営者が取るべきアクション」などを体系的に整理したことです。
これまでに得た学びや経験、知見を活かし、コミュニティ運営に関する全体像を明確にまとめることができました。この取り組みは、これまでの活動を振り返りながら、それらを一つの形として総括する貴重な機会となり、とても楽しい時間でもありました。自分自身の成長を感じられた、充実したプロジェクトでした。
2025年の展望
- 2025年のコミュニティ業界、注目のキーワードは何だと思いますか?また、その理由を教えてください。
注目のキーワードは「成果」です。
これは、コミュニティ業界が抱える大きな課題の一つだと思います。近年、コミュニティが注目され、立ち上げる企業が増えている一方で、成果を出せず継続できないケースも少なくありません。企業がコミュニティを運営し続けるためには、「成果」を具体的に示すことがますます重要になってきます。
私はコミュニティだからこそ実現できることがたくさんあると信じてます。そのため、注目が集まっている今のうちに、その「成果」を明確にし、具体的な数字として示していきたいと考えています。
- 今後躍進しそうな注目領域はありますか?
注目の領域は「リアルな場所 × オンラインコミュニティ」です。
リアルな場所で人が集まることでコミュニティは生まれますが、オンラインの場が加わることで、その価値は何倍にも広がり、深まります。地域コミュニティやスポーツチームなど、オンラインツールを活用することで、距離や時間の壁を超え、より多くの人が参加しやすくなっています。
一方で、リアルとオンラインの融合はまだ十分に進んでいないと感じています。両方をうまく組み合わせることで、コミュニティが持つ可能性はさらに広がるはずです。
- 2025年の抱負を教えてください。
私自身のテーマは「コミュニティをビジネスとして成立させる」です。
2025年は、このテーマに向かって全力で取り組み、土台を築いていきたいと考えています。これまでは、プロダクト開発、運営サポート、データ分析、コミュニティ運営など、さまざまな角度からコミュニティに関わってきました。
これからは、事業成長やマーケティングといったビジネススキルをさらに磨き、コミュニティの成功事例をより多く作り出していきたいと思います!
杉本 征一郎さん
株式会社セガ コミュニティマネジメント部所属
ゲームにおけるSNSやオフイベントなどを中心にコミュニティ活動を行っています。
(X : https://x.com/p5x_official_jp)
2024年の振り返り
- 2024年、ご自身の活動を振り返ってどのような年でしたか?
拡大の1年でした。
担当地域やコミュニティ活動の範囲など様々な物事で広がりのある1年であったと思います。
- 2024年のコミュニティ業界を一言で表すなら何でしょうか?また、その理由を教えてください。
「激変」
トレンドも手法も反応もいろいろな意味で変化の激しい業界だと思います。
- 最も印象的だったコミュニティ業界のニュースはありますか?また、その理由を教えてください。
mixi2のサービス開始。
個人的には懐かしさを感じるニュースでありましたが、拡散・バズらせるではなく、クローズドの仲間とのコミュニティがどのように成長していくか注目しています。
- 記憶に残ったプロジェクトはありますか?また、その理由を教えてください。
プロジェクトではないですが、AIがドンドン生活に入ってきていると感じています。
便利さを感じながらも、使い方次第では自身で考えたり、調べたりしなくなりそうな恐怖心もあります。
2025年の展望
- 2025年のコミュニティ業界、注目のキーワードは何だと思いますか?また、その理由を教えてください。
推し活。
だいぶポピュラーな言葉になってきたように感じます。人やキャラクターだけではなく、ブランドや商材全般にも推し活がより浸透していくのではないかと思っています。
- 今後躍進しそうな注目領域はありますか?
ライブコマース関連。
特にコスメ関連を中心としたライブコマース市場規模は大きなものですが、他の業界においても成長する可能性を持っている分野になるのではないかと思っています。
- 2025年の抱負を教えてください。
今年はとても学びの多い1年でした。
コミュニティはファンとブランドの掛け橋となるものだと思っておりますので、よりファンのみなさまが熱狂できるようなコミュニティ活動ができればと思っております。
今回は、4名の方の回答を紹介させていただきました。
後編もございますので、よろしければそちらも併せてご確認ください。
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