紫帆さん × AGE20's
Shiho × AGE20's — Community Commerce
「#紫帆買い」が生んだコミュ売れ。
Influencer Marketing ではなく Community Marketing の到達点。
Executive Summary
この事例の要点を 3 つのカードで
AGE20's (韓国コスメ D2C ブランド)が既存のインフルエンサーマーケティングで 購入転換率 (CVR) が頭打ち。バズによる新規獲得効率が低下し、購入から継続購入につながる「信頼ベースの関係性」を作る場が必要となった。
SHINSEKAI Technologies は紫帆さんコミュニティ(MURA Platform 上)を起点に、商品紹介ではなくファン自身の「#紫帆買い」投稿によるコミュニティ内拡散モデルを設計。著書『もうバズらなくてもいい』(KADOKAWA 2024)で語る「Community Commerce (コミュ売れ)」概念を実証する事例として位置づけ。
2024-09 月の #紫帆買い 関連投稿 48 件 / 関連売上 ¥425,891(出典: 紫帆コミュニティ運営 Slack 2024-10-04)。1 人あたり購入額 (1 人あたり購入額 (ARPU)) 約 ¥4,258(100 名規模、9 月単月)、コミュニティ内投稿率 35-45%。
01
Challenge/ 課題の本質
AGE20's 業界では、長らくインフルエンサーマーケティングが新規顧客獲得の主軸でした。ところが、SNS 広告氾濫・タイアップ案件の量産・フォロワー指標の信頼性低下といった構造変化により、「単発のインフルエンサー起用」だけでは CVR が頭打ち になる現象が顕在化していました。
D2C ブランドが本質的に求めていたのは、購入の瞬間だけでなく 「購入してくれた人が、もう一度買ってくれる」「友達に勧めてくれる」「ブランドを語ってくれる」関係性 でした。広告経由の流入では作れない、信頼ベースの長期関係——その器となる場が必要だったのです。
02
Approach/ 戦略設計
SHINSEKAI Technologies は、ママインフルエンサー紫帆さんのコミュニティ(MURA Platform 上、サブスク 数十名 + 自己紹介 300 名超)を起点に、Influencer Marketing とは異なる「Community Marketing」のモデルを設計しました。
核となるのは、紫帆さん本人が商品を紹介するのではなく、コミュニティ内のファンが自発的に「#紫帆買い」投稿をする文化 を育てる設計です。著書『もうバズらなくてもいい 新時代のSNSコミュニティの教科書』(KADOKAWA 2024)で大社武・岡崎智樹が提唱する「コミュ売れ」概念——コミュニティ内で直接モノが売れる経済圏——をそのまま実装する形になりました。
03
Implementation/ 実装と運用
具体的な運用は、AGE20's (韓国コスメ D2C ブランド)からの商品提供を受けて、紫帆さんがコミュニティ内で「使ってみた」感想を共有することから始まります。ここで重要なのは、紫帆さんが「販売員」ではなく「使用感を語るコミュニティの一員」として振る舞う設計です。
その後、コミュニティ内のサブスク参加者が同じ商品を試し、自身の感想を「#紫帆買い」ハッシュタグで投稿。コミュニティ内で感想が連鎖し、購入の意思決定が 「紫帆さんが言ったから」ではなく「コミュニティの仲間が言っているから」 という第二層の信頼で生まれる構造を作りました。
運営面では、MURA Platform 上の投稿率(35-45%)を KPI として追い、商品売上との相関を月次で計測。「Influencer Marketing の 購入転換率 (CVR) 指標」とは別軸の「Community Commerce の継続率指標」を確立しています。
04
Outcome/ 成果と学び
2024 年 9 月の単月で、#紫帆買い 関連投稿は 48 件、関連売上は ¥425,891 を記録しました(出典: 紫帆コミュニティ運営 Slack 2024-10-04 報告)。1 人あたり購入額 (ARPU) は約 ¥4,258(100 名規模、9 月単月)、コミュニティ内投稿率は 35-45% を維持しています。
これらの数字が示すのは、コミュニティが 「広告予算の代替」ではなく「持続的売上経路の新カテゴリ」 になりうるという事実です。Influencer Marketing が単発の高インパクトを狙うのに対し、Community Marketing は 中規模・継続・関係性ベース という別軸の経済圏を作ります。
05
Future/ これから
本モデルは紫帆さん × AGE20'sの 1 事例にとどまらず、他クリエイター × 他ブランドへの展開可能性を持ちます。SHINSEKAI Technologies は引き続き、Community Marketing のモデル化と、「Community Commerce (コミュ売れ)」概念の D2C 業界全体への普及を進めていきます。
Impact
コミュニティから商品が売れる、Community Commerce の到達点。
Key Principles
この事例を支えた SHINSEKAI Technologies の設計思想
01
Influencer ではなく Community を主語にする
クリエイター本人が販売員ではなく「コミュニティの一員」として振る舞う設計。第二層の信頼で購入が生まれる。
02
「Community Commerce (コミュ売れ)」を独自概念として実装
著書『もうバズらなくてもいい』(KADOKAWA 2024)で提唱する Community Commerce 概念を、紫帆さんコミュニティで実装。
03
投稿率を中心 KPI に置く
CVR ではなくコミュニティ内投稿率(35-45%)を中心指標とし、Community Marketing の継続性を計測する。
Credits
このプロジェクトに携わったチーム


