長崎県 × 長崎友輪家
Nagasaki Yurinka
長崎好きが集う関係人口コミュニティ。
3 年継続で LINE 公式 約 500 名 + MURA サブトーククラブ 94 名、自治体 × コミュニティの長期実証モデル。
Executive Summary
この事例の要点を 3 つのカードで
長崎好き約 500 名が LINE 公式に集まる一方で、移住・観光・地域魅力発見の情報が流れて蓄積できず、ユーザー属性データを追えなかった。
LINE 公式 (拡散層) + MURA コミュニティ (蓄積層) の 2 層設計。「移住なんでも相談」「働く場所情報」など目的別チャンネルで情報を構造化。
3 年継続で LINE 約 500 名 + MURA サブトーククラブ 94 名。移住イベント・ワーケーション WEEK・佐世保 他自治体との連携へと関係人口の場を拡張。
01
Challenge/ 課題の本質
長崎県は、住民でも観光客でもなく「地域に多様な関わりを持つ層」を意味する関係人口の創出・拡大を政策目標として掲げてきました。SHINSEKAI Technologies は長崎県と連携し、長崎好きの層が集まる LINE 公式アカウントの運用を通じて、約 500 名規模の関係人口プールを 3 年間かけて育ててきました。
しかし、LINE 公式運用が成熟するにつれて、構造的な課題が顕在化していきます。「情報がタイムラインで流れて蓄積できない」「情報を貯める場所がない」「ユーザー属性データを追えない」。観光、移住、地域の魅力発見という多様な目的で活用されている一方で、それぞれの興味関心ごとに情報を取り出せる場所が存在しなかったのです。
LINE はライトな入口として優れている。しかし、より深い関係人口を育てるには、「情報を蓄積し、ユーザー属性を可視化できる別の器」が必要でした。
02
Approach/ 戦略設計
SHINSEKAI Technologies は、LINE 公式アカウントを廃止するのではなく、「LINE 公式 (拡散層) + MURA コミュニティ (蓄積層) の 2 層設計」を提案・実装しました。LINE はライトな参加者が交流するライト層の入口、MURA コミュニティは深い情報が欲しい方や、まとまっている情報を求める方のためのポータル。役割を明確に切り分けたうえで、2 層を相互に行き来できる導線を設計しました。
MURA コミュニティ内には「移住なんでも相談」「働く場所情報 (ワーケーション)」「情報がまとまって見えるチャンネル」を設置。ワーケーション情報はマップ化し、既存のグルメ情報グループと切り分けて、目的別に情報を取り出せる構造にしました。
初期メンバーは LINE から全員一括で移行させず、「ある程度目的を持ったユーザーを初期メンバーとして参加してもらう」方針を採用。Google フォーム 15 項目アンケートで審査制とし、移住・ワーケーション情報を求める熱量の高い層を最初に集めることで、コミュニティの土壌を整えました。
03
Implementation/ 実装と運用
2024 年 10 月 28 日、MURA コミュニティが正式オープン。SHINSEKAI Technologies は週次のクライアント定例ミーティングで運営方針を擦り合わせ、長崎県庁担当者にも MURA コミュニティ管理権限を付与して自治体・運営事務局・プラットフォーマーの 3 者が同じ場で意思決定できる体制を構築しました。
流入施策としては、LINE ブロードキャスト広報 (2 回)、ZOOM 説明会 + YouTube アーカイブ配信、週 1 回の MURA コミュニティ内情報発信、リアルイベント参加者への直接参加促進を段階的に展開。2024 年 12 月 6 日には福岡で移住イベントを実施 (参加者 32 名以上、相談 7 件)、リアル接点を MURA コミュニティへの流入動線として接続しました。
2024 年 12 月 10 日には長崎友輪家 × 他地域連携 × SHINSEKAI Technologies の 3 者キックオフ MTGを実施。2025 年 3 月の佐世保 ワーケーション WEEK (3/4〜6) で、米軍基地モニターツアー / セイルタワー / 友輪家 T シャツづくり / 諫早商店街活性化ワークショップ (高校生・大学生巻き込み) と連動した複合プログラムを設計しました。コミュニティ運営側だけでなく、地域の自治体・若年層・行政が交差する座組です。
04
Outcome/ 成果と学び
2026 年 1 月時点で、LINE 公式アカウントは約 500 名規模を 3 年間継続運営。さらに LINE 公式内のサブトーククラブには94 名の深い関係性層が形成され、自治体運営の SNS コミュニティとしては国内でも稀少な長期実証モデルになっています。MURA コミュニティの初期参加は 34 名 (2024 年 11 月時点) からスタートしましたが、過去最大 1 日あたり 129 コメントを記録するなど、コアな投稿活動が継続的に発生しています。
定量だけでなく、定性的な変化も生まれました。「あおりいか」と呼ばれる名物アカウントの話題発信が UGC を誘発し、福岡修学旅行など旅行情報という具体テーマが投稿フックとして機能。MURA に入ってから LINE の存在を知り LINE 参加するパターンも観測され、「LINE → MURA」だけでなく「MURA → LINE」という双方向送客が成立し始めています。
関係人口コミュニティとして「長崎好きが集まり、長崎の人々や暮らしに関する深い情報交換の場として機能している」(運営側より) という質的成果は、自治体マーケティング・シティプロモーションの新しい在り方として再現性を持ち始めています。
05
Future/ これから
長崎友輪家は、関係人口創出の継続的な実証基盤として、次のフェーズへ進みます。佐世保 他地域連携 とのコラボは姉妹自治体間連携のモデルとして、他自治体への横展開可能性を探索する段階に入りました。アンバサダー制度の起用、コミュニティ課金機能・商品販売機能を活用したコミュニティコマースの自治体版も検討開始しています。
SHINSEKAI Technologies は、本案件で実証された「LINE 公式 + MURA の 2 層設計」を、他の自治体・観光・関係人口プロジェクトへも展開していく方針です。コミュニティが 「関係性のインフラ」として機能するとは何か——その問いに、長崎友輪家の 3 年間が一つの答えを示し続けています。
Impact
関係人口を 3 年間育てた、自治体 × コミュニティの長期実証。
Key Principles
この事例を支えた SHINSEKAI Technologies の設計思想
01
2 層設計で拡散と蓄積を両立
LINE 公式 (拡散層) と MURA コミュニティ (蓄積層) の役割を切り分け、情報構造とユーザー属性の両方を最適化する設計思想。
02
目的を持った初期メンバーから始める
LINE 全員一括移行ではなく、移住・ワーケーション情報を求める熱量の高い層を Google フォーム審査制で選抜し、コミュニティの土壌を整える。
03
リアルイベント × オンラインの連動
福岡移住イベント、佐世保 ワーケーション WEEK、他自治体との連携などリアル接点を MURA コミュニティへの流入動線として接続。
Credits
このプロジェクトに携わったチーム



