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シンセカイテクノロジーズの成長戦略|創業1年弱でプレシリーズA達成の秘訣とBtoBからの展開

この記事はシンセカイテクノロジーズ代表の「大社」さんへのインタビュー記事です。

新しくリリースされる新プロダクトの詳細、創業から1年弱でプレシリーズAに到達した企業経営の戦略もお伺いしました。

ぜひご覧ください!

コミュニティマネジメント市場に特化するシンセカイテクノロジーズとは?

まずは簡単に経歴を教えてください

シンセカイテクノロジーズ代表の大社(おおこそ)です。2022年にシンセカイテクノロジーズを立ち上げる以前もスタートアップを経営しており、その前はサイバーエージェントの子会社を経営するなど、起業家キャリアを送っています。

シンセカイテクノロジーズはコミュニティマネジメント領域に参入しました。背景には多くの要因がありますが、1つ挙げるとするならば、前職での経験からデジタルマーケティングがより顧客接点や顧客体験に重点を置くトレンドに移り変わっていることを感じていたからです。だからこそコミュニティ市場に注目しました。


創業からここまでを簡単に振り返っていただけますか?

創業から主に取り組んでいる事業は、コミュニティマネジメントの支援代行事業です。

コミュニティは、顧客接点やユーザー間の接点を構築する機会となり、アセットを蓄積する観点から大きな期待値があると考えています。実際、リサーチの結果、約8割の大手企業がコミュニティへの強い関心を持っていることがわかりました。

しかし、多くの企業ではコミュニティを運営する体制やノウハウが不足しているのが課題です。データドリブンでかつ再現性高く成果を出せるノウハウを持つ事業者は少ないため、引き続きコミュニティマネジメントの代行支援を行っています。

強みは、Discordを活用したコミュニティ運営のノウハウにあります。弊社独自の「コミュニティグロースモデル」を用いて分析から運用までを一貫して行え、国内でNo.1の運営体制を構築できているからです。

加えて、コミュニティ運営のための専門人材のプールやデータベースを垂直統合しており、この総合的なサービス提供力が競合他社との差別化ポイントになっていると考えています。

ノウハウと経験を詰め込んだ自社プロダクトのリリースへ

自社プロダクトをリリースされると聞きました

「MURAコミュニティ」というサービスをリリースします。「MURAコミュニティ」は、誰でもノーコードで簡単にコミュニティを構築し、経済活動ができるプラットフォームです。ユーザー向けには趣味で繋がれるコミュニティサービス、企業向けには企業とユーザーが共創できるサービスとなっています。共創をこれまで以上に手軽に実現できるのが大きな特徴です。

MURAコミュニティについて詳しく知りたい方は、資料をダウンロードしてください。



開発の背景を教えてください

もともと本業であるDiscordを活用したコミュニティマネジメント支援サービスを多くの企業に展開してきた中で、既存顧客のデータ連携やセキュリティ面での課題があることがわかりました。また、Discordの体験価値がわかりづらいという指摘もありました。こうした課題を解決する新たな需要を感じたことがきっかけです。

Discordは世界最大のコミュニティプラットフォームですが、BtoB領域ではまだ市場が小さい。MURAコミュニティは、Discordの競合ではなく、こうした課題を独自に解決するソリューションとなります。


具体的なサービスイメージを教えてください

Discordのようなスレッド型チャット形式で、コミュニティトップの統括機能やコミュニティ一覧など、複数のコミュニティに出会えるような仕様になっています。

かつてmixiで複数コミュニティに参加していた経験から、様々なつながりを作れる場所が人と人とを理解するのに役立つと感じています。SNSのアルゴリズムでは好みの情報に出会いにくい中、新しい自分のつながりを見つけられるサービスにしたいと考えています。


誰でも利用できるのでしょうか

公式コミュニティの構築は、当社が代理で構築を支援します。一方、ユーザーが自身で構築したい場合は無料で作ることができ、課金すればさらに機能が追加できるフリーミアムモデルを採用しています。具体的にはコミュニティマネジメント機能や分析機能、コマース機能なども提供していきます。


狙っている市場を教えてください

今回のプロダクトを通して実現したいのは「コミュニティコマース」です。国内のコマースDX市場は急成長しており、また海外のソーシャルコマース市場も大きいことから、コミュニティ型ソーシャルコマースの機会があると見ています。海外ソーシャルコマース市場も見据えながら展開していく考えです。


直近のロードマップを教えてください
3月中に先行ユーザーの募集を開始し、企業公式コミュニティや自社立ち上げコミュニティで検証を行います。課題を確認しながらベータ版を7月頃に、そして本番オープンは8~9月を目指しています。

コミュニティ市場の可能性

コミュニティに注目する理由を教えてください

インフルエンサーマーケティングにおいて、ユーザー側と企業側の双方で課題が見られます。ユーザー側では、信頼できるUGCの存在が購買行動の重要ポイントとなっていますが、多くのフォロワーを持つインフルエンサーに企業都合の情報を発信させている現状がユーザーに見抜かれています。

一方企業側も、フォロワー数や再生数など定量数値を追いかけている状況です。リサーチの結果、顧客接点やコンテンツ創出にSNSを活用したいものの運用が難しく、つながりが見えにくいというニーズが見られました。

このようなリーチ重視からエンゲージメント重視へのトレンドの中で、ロイヤルティの高いファンづくりが重要となり、コミュニティの役割が期待されています。

よって、これからはKOL(キーオピニオンリーダー)ではなく、実際に製品を購入したKOC(キーオピニオンコンシューマー)の発信力が高まっていくと考えています。KOCをいかに生み出せるかが、これからの販売促進につながると期待しています。

コミュニティには、そうした信頼関係の構築につながる可能性があります。従来のコミュニティではゆるい繋がりとされがちでしたが、データドリブンの分析とマネジメントで、より深い関係性を生むことができるはずです。


データドリブンの取り組みについて教えてください

コミュニティ内のユーザーの気持ちや行動をデータ化し、それらを分析・再現することで、パーソナライズされた運用施策を立案できると考えています。そのためAIを活用したコミュニティ分析ツール「MURAブレイン」の開発にも取り組んでいます。

ユーザーの行動は、理論的・科学的にとらえることで、より購買につながる行動が見えてくるはずです。SHIPSモデルが示すように、共感を得てから行動に移るユーザーの心理変化をとらえ、最適な顧客体験をつくり出すことが、新たな収益機会になると期待しています。


シンセカイテクノロジーズが提供するサービスに興味がございましたら、お気軽にご相談ください。


創業1年弱でプレシリーズAに到達したコミュニティマネジメント企業の経営戦略

少し話は広がりますが、事業選定において意識していることがあれば教えてください

BtoB事業を立ち上げる際は、初期の顧客接点が重要です。強いペインポイントがあり、空いているポジションを探すところから始めます。私の場合は、まず労働集約型のビジネスを構築し、圧倒的な課題解決力を持つことで信頼を獲得します。その後、徐々に再現性や仕組み化を行い、事業をスケールさせていく流れを意識しています。

新市場に参入する際は、"一丁目一番地"となることが大前提です。シェアナンバーワンを意識し、自社のポジションを誰もが想起できる地位を確保することを目指します。そうすれば市場のニーズが見えてくるだけでなく、競合優位性の確立にもつながります。

全方位でシェアナンバーワンを狙う戦略は、新市場ではウィナーテイクオールが起きる可能性があるため、採用しています。自社の強みであるコミュニティ運営力を全体の成長エンジンとして機能させるという考えです。


BtoCプロダクトではどのように考えていますか

BtoCプロダクトでは、業界をリードするような影響力のある人物が使ってくれるかどうかが、ペルソナ設定の判断基準になります。そのようなペルソナをターゲットに設定し、フィードバックを重ねながら徐々に展開を広げていく手法をとっています。


市場選択の判断基準はありますか

セクターとしてはデジタル・インターネット市場から軸足を逸らしていません。多くのユーザーや消費者が存在すること、また目標とすべき対象がいることが大きなポイントです。

前職の経験から、ライバル企業の存在を意識しながらも、事業MOAT構築を徹底して、独自のポジショニングを大切にしてきました。常に、自社がポジションを取れる分野かを探し、様々な観点から検討を重ねています。

最後に今後の意気込みをお願いします

今後、海外を視野に入れたグローバル展開を見据えています。大資本に押されがちな昨今のBtoCシーンでも、スタートアップに可能性はあると信じています。挑戦し続け、その可能性を広げていく覚悟です。

ありがとうございました!

はい、こちらこそありがとうございました!


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