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6種類のコミュニティ運営法!目的別に事例やメリットを解説

「コミュニティをどう活用すれば、成果につながるの?」
悩まれている担当者の方は多いのではないでしょうか。

本記事では、企業が抱える多様な課題に応じて選択できる6種類のコミュニティスタイルを詳しく解説します。商品販売、ブランド認知、顧客満足度向上など、それぞれの目的に最適なアプローチを具体的な事例とともに紹介しています。

特に、以下のような方にこの記事をおすすめします。

  • コミュニティ運営に興味がある方
  • 課題は明確だが、最適なコミュニティスタイルが分からない方
  • コミュニティ運営で具体的な成果を出したい方

最適なコミュニティスタイルの選択、最適なコミュニティ運営のために、ぜひお役立てください。


株式会社SHINSEKAI Technologiesではコミュニティについて科学し、これまでの運営で得た知見を生かしたサポートを提供しています。まずはお気軽にご相談ください。

6種類のコミュニティスタイルとは?

企業がコミュニティを駆使して達成したい目的は様々です。

その目的に沿って、コミュニティスタイルは6種類に分けることができます。

商品を販売している企業であれば、「認知向上」「売上向上」のように既存商品や新しい商品をより効果的に販売するために活用したいでしょう。また、販路拡大のために「新規顧客開拓」「ブランド価値向上」を、ユーザーに寄り添うために「顧客満足度向上」を目的にすることもあります。さらに、自社商品や業界の発展のために「研究開発」を目的としたコミュニティも考えられます。

このように、何を目的にするかによって、設定すべきKPI(重要業績評価指標)が変わってきます。そして、それぞれの目的・KPIに応じて、その効果を最大化しやすい「コミュニティスタイル」があります。

「KPI」の設定方法や活用方法については、他の記事で詳しく解説しているため興味がある方はぜひご覧ください。

  コミュニティを活性化するKGI・KPI設定と活用方法 コミュニティの活性度を測るKGI・KPI設定と分析方法を解説。コミュニティファネル各段階における指標設定で目標達成を可視化。 株式会社SHINSEKAI Technologies

ここからは6種類のスタイルについて詳しくご紹介します。

スタイル①「集客効果最大化」コミュニティ

コミュニティによって集客の効果を上げたい場合のスタイルです。多くの潜在顧客、すなわち商品やサービスを知らなかったり、興味を持っていなかったりする顧客をターゲットにします。

主なメリット

  • 新規顧客層への認知拡大
  • 費用対効果の高い集客チャネルの確保
  • 競合との差別化要素の創出

具体的な施策例

  • コミュニティの有益さを明確に伝えるコンテンツの配置
  • SNSやCMなど外部のマーケティング戦略との整合性の確保
  • コミュニティのテーマと同じ属性のアンバサダーの起用
  • シンプルなコミュニティ設計(階層構造を多くしすぎない)
  • 過去のイベントや盛り上がった話題などのハイライト作成

【このスタイルにおすすめのプロダクト 】

このようなコミュニティは、購入頻度の多い食品や文房具といった低関与商材に向いています。

低価格帯の商品は生活に密着していてネームバリューなどもあり利用頻度は高いが、熱心なファンを獲得しにくい商材です。そのため、ロイヤルなファンを作ることに注力するよりは、多くの人に興味を持ってもらう施策の方が必要になります。

スタイル②「売上最大化」コミュニティ

商品の売上を最大化させるためのコミュニティスタイルです。新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客のロイヤル化にも重点を置きます。

主なメリット

  • 購入検討中の顧客の背中を押す仲間の存在
  • リピート購入の促進
  • 関連商品への興味喚起

具体的な施策例

  • 既存顧客がニッチな話をできる環境の構築
  • 既存顧客による口コミやレビューの促進(KOC:Key Opinion Consumerの育成)
  • 商材のジャンルに合わせた説得力のある会話ができる人材の配置
  • 会話のきっかけになる話題提供や他己紹介などの交流促進
  • Google Mapなど既存サービスを利用した評価のまとめ

【このスタイルにおすすめのプロダクト 】

車、釣り竿、腕時計などの趣向要素のある商品におすすめです。

購入に検討が必要だったり、時間がかかったりするニッチ領域(趣味領域)の商材は、他の人の意見も参考に検討を進めるため、その商材に関する会話ができ、情報が集まっている場所を用意することが重要です。

スタイル③「新規顧客獲得」コミュニティ

新商品や新しいブランドラインを作るなど、既存顧客とは異なる属性の人たちに興味を持ってもらい、共感してくれる新規顧客を集めるためのコミュニティスタイルです。

主なメリット

  • 新たなターゲット層の開拓
  • 製品・サービスの背景ストーリーの効果的な伝達
  • 新規顧客からの直接フィードバック獲得

具体的な施策例

  • 立ち上げの背景や想い、コンセプトなどのストーリーの丁寧な伝達
  • ターゲットユーザーと近い属性のアンバサダーの配置
  • トレンドや関心ごとなどを調査するアンケートの実施

【このスタイルにおすすめのプロダクト 】

スタイル名の通り、新たなユーザーの流入を促したい新商品や新サービス向けのコミュニティ全般におすすめです。

例えば、新たな市場に参入する際や、新しいコンセプトを持った商品・サービスを展開する際などに活用できます。

スタイル④「PR成果最大化」コミュニティ

既存顧客のエンゲージメントを高め、友人へのコミュニティ紹介や情報拡散などが積極的に行われるようになることでPR成果の最大化を目指すスタイルです。

主なメリット

  • オーガニックな口コミの拡大
  • 信頼性の高い情報発信源の確保
  • 広告費用の効率化

具体的な施策例

  • コミュニティ内の心理的安全性の確保
  • 情報の有益性向上
  • 専門家やKOC(Key Opinion Consumer)的な人材の配置
  • ボイスチャット(音声によるリアルタイムコミュニケーション)による親密度向上
  • 共通の話題や趣味を共有できる小規模なサブコミュニティの形成

【このスタイルにおすすめのプロダクト 】

ユーザーが商品に愛着を持ち、自ら広めてくれるコミュニティは、ニキビケア、肌荒れ化粧品、薄毛などのコンプレックス商材向きです。

使用後のレビューや効果などが重要視される商材のため、商品レビューが多く生まれることで商品自体の品質・魅力のPRがしやすくなります。

スタイル⑤「ユーザー満足度最大化」コミュニティ

すでにコミュニティ内にいるユーザーの満足度を高めて、維持していくことを目的としたコミュニティスタイルです。継続率の向上や顧客生涯価値(LTV)の増大を図ります。

主なメリット

  • 既存ユーザーの離脱防止
  • 顧客生涯価値の向上
  • 深いブランドエンゲージメントの構築

具体的な施策例

  • コミュニティの世界観に没入できる体験設計
  • 「自分ごと」として参加したくなるイベント・話題設計
  • 活動に応じたインセンティブポイントの提供
  • 共創(企業とユーザーが共に創造する)の場の提供
  • イベント企画募集や運営へのご意見箱設置

【このスタイルにおすすめのプロダクト 】

このコミュニティは、ゲームやSasSに向いています。

このようなサービスでは継続利用を促したいため、「継続率を上げる=習慣化させること」が肝となります。ログインボーナスのような毎日の活動を促す施策やイベント企画などのコミュニティ活動によって習慣変容を促すことができます。

スタイル⑥「UGC生成最大化」コミュニティ

UGC(User Generated Contents:ユーザー生成コンテンツ)をたくさん作ってもらうことを目的としたコミュニティスタイルです。ユーザーによる創作活動を促進し、コンテンツの拡散や商品の魅力発信を図ります。

主なメリット

  • 多様な視点からの商品魅力の発信
  • マーケティングコンテンツの効率的な生成
  • クリエイティブなユーザー層の獲得

具体的な施策例

  • UGC創作を促すイベント企画の実施
  • 貢献活動の適切な評価と報酬の提供
  • クリエイティブスキルを持った人材の配置
  • スタンプ作成コンテストなど簡単に参加できる創作企画の実施
  • UGC制作活動へのインセンティブ提供

【このスタイルにおすすめのプロダクト 】

このようなUGC生成が多くなるコミュニティはD2Cやブランド商品が向いています。

商品数が多く、流行り廃りが激しい商材においては、口コミやイラストなどユーザー発信のコンテンツ数を最大化することでオーガニックの顧客を増やすことができるためです。

目的に合ったコミュニティの種類を選ぶには

これまで解説してきたように、自社のマーケティングの目的に応じて、それを達成できるようなKPIを設定し、適切なコミュニティスタイルを形作っていくことが重要です。

「コミュニティをとりあえず作ってみる」の前に、以下の手順で検討することをおすすめします。

  1. 自社が現在直面している課題は何か明確にする
  2. コミュニティを通じて達成したい具体的な目標を設定する
  3. その目標に最も適したコミュニティスタイルを選択する
  4. コミュニティの構造や施策を具体的に設計する

コミュニティは、適切に設計・運営することで大きな成果をもたらす可能性を秘めています。しかし、目的が不明確なまま始めると、リソースを無駄にするだけでなく、参加者の離脱を招くこともあります。

まずは自社の現状と目標を見つめ直し、どのスタイルのコミュニティが最も効果的かを考えてみましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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